人工授精での妊娠について~流れ・妊娠率などを解説~

妊活する時に、ふと頭をよぎるのが人工授精という言葉だと思います。妊活=人工授精だと思っている人も多くいるくらい、多くの人が知っている言葉でもあります。
しかし、実際の流れや妊娠率については意外に知られていない事ばかり、妊活しようと思っている女性にとって最も知りたい部分なのではないでしょうか?
今回は、人工授精とはなにか?そして、その一般的な流れと最も気になる妊娠率について解説します。

人工授精とは?

人工授精は、別名AIHとも呼びます。男性の精子を直接スポイトなどで子宮内に注入して妊娠を促すものです。性交ではなく、人工的に精子を注入する治療のため、人工授精と呼ばれています。
タイミング療法以上に、パートナーの男性の強力が必要となる治療でもあります。
人工授精が適しているのは、

  • 子宮頸管粘液が少ない又は状態が良くない
  • 子宮頸管が何らかの事情で精子が通過しにくい
  • 精子の活動力が弱い
  • 精子の数が少ない
  • 性交渉ができない
  • 特に異常がないが妊娠まで至らない

などの理由で妊活が思うようにいかない場合です。
人工授精は、なるべく自然妊娠に近い状態を作り卵子と精子が出会いやすくしてあげる治療といえます。
費用は保険適応外となるため、病院によって多少差がありますが、1回1~3万くらいと考えておくと良いです。

人工授精の流れ

では、実際に人工授精はどのような流れで行われるのかをみていきましょう。

  1. 基礎体温表で排卵日に近い日を割り出します。
    タイミング療法を行っていた人は、この部分が素早く行われます。
  2. 排卵日の近くになったら超音波の検査で卵胞の大きさを測定し、約16mmに成長した頃に、検尿で尿中のホルモンを測定し頸管の粘液を採取してだいたいの排卵日を予測します。
  3. 男性が精子を容器に採取します。
    これは、病院によってですが自宅で行う場合と、病院で行う場合があります。
    男性にとって最も苦痛を伴うものだとも言われています。
  4. 精子についている細菌などを洗い流し、受精しやすい状態に濃縮します。
  5. 排卵日に受精しやすい状態になった精子を子宮に注入し受精を待ちます。
    人工授精日の前日や当日、さらに翌日に妊娠しやすくなるように性交を勧める病院もあります。

こうやって見ていくと、女性側の負担ももちろんですが、男性側の負担はかなり大きいのでなかなか人工授精にふみきれない人が多いのも納得です。
男性は、産婦人科に行くだけでも気持ちに負担がかかります。まして、院内で精子を自分で採取しなくてはいけないのは、大変な事だと感じます。その辺に関しても病院によってかなり違いがあるため、人工授精を行う前にしっかりと流れについて確認しておく事も妊活にはとても重要な事です。

人工授精の妊娠率はどのくらい?

受精しやすい環境をここまで整えているので、妊娠率が高いイメージがあるかと思いますが、意外にも1回の人工授精で妊娠する確率は、5~10%と言われています。平均的には、人工授精を行い始めて5~6回目で妊娠する事が多いそうです。
一般的な統計によれば、20代で10%、30代で7.9%などと言われています。妊娠率は意外と低いですが、人工授精の良い部分は、回数を重ねてもタイミング療法と違って妊娠率は下がらないところです。そして、人工授精と一言でいっても、排卵誘発剤を使う場合もあれば、使わない場合もあるので医師と相談して、排卵の状態や卵胞の状態そして精子の状態で色々な方法での人工授精が可能だという利点もあるようです。
さらに、人工授精を行って望む結果が得られなかった場合に、再びタイミング療法を行うカップルも多くいます。

妊娠は奇跡的なもの

妊活にとって最も大切なのは、お互いストレスを最小限に無理なく行う事です。どの人も何気なく妊娠している様に見えているかもしれませんが、妊娠するのはとても奇跡的な事なのです。卵子と精子が出会って受精するのはとても大変な事なのです。男女が出会って恋に落ちるよりも、もっともっと少ない確率なのです。
卵子と精子が受精しただけでは妊娠に至りません。そこから子宮内膜に着床するだけの確立でも20~30%と言われている程なのです。
そして、もう一つ意外と知られていませんが、実は、流産後の妊娠率は高いと言われているのです。実際に当店にいらしているお客様でも、人工授精で妊娠したのにすぐに流産してしまいとても落ち込んでいらっしゃる人がいましたが、その人は3か月後に自然妊娠されました。本人も自然妊娠にとても驚いていましたが、医師には結構多いのよと言われたそうです。こんな話を聞くと目の前がパッと明るくなりますね。

まとめ

人工授精を開始する前に、必ず医師からきちんと流れについて、そしてどんな検査をどのくらいしていくのかをしっかりと説明してもらいましょう。
そして、パートナーの男性の心の負担にも敏感に対応してあげる事で、ストレスを減らし効率の良い妊活が行える事も覚えておいて下さいね。
人工授精にふみきってくれた男性は勇気があり、妊活に真剣に取り組んでくれている大切なパートナーなのです。

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